2024年4月19日
第217回
お産が減った!人口も減った!!
 先月のコラムで“今年の桜の開花は例年より4~5日早いと予想されています”と書きましたが、見事に外れて今年の開花は例年よりやや遅れた4月初旬でした。
 弁解がましいですが、私は開花予想など出来ませんので、気象予報士の皆さんがテレビなどで言われたことを基に書いただけですが、それでも予想が外れたので何となく後ろめたさを感じます。
 しかし、そのお陰で久しぶりに桜満開の入学式や入社式になりました。今年の新入生や新社会人には良い思い出になったことでしょう。

 厚生労働省から令和5年の人口動態統計速報が出ました。出生数758,631人。令和4年の出生数が799,728人でしたから41,097人の減です。新型コロナも落ち着いたので少しは増加して80万人台の大台に戻るのではないかと期待されていましたが、現実は厳しいものとなりました。
 このまま行くと今年は70万人台も割ってしまうかもしれません。事実、今年の1月の出生数は61,074人で去年の1月の64,052人より2,978人減(対前年比95%)でした。
 岸田内閣は少子化対策に異次元の政策を取ると宣言していますが、云うだけで一向に異次元の投資をしませんので効果は出ません。それに合計特殊出生率2.0を目指すと言っていますが、産む年代の母数が減ってしまったので、2.0では人口は増えません。それこそ少子化対策以前に小母化対策をしなければなりませんでしたが、人間は1年や2年では子供を産める大人になれませんので、これはもう手遅れです。
 一方で令和5年の死亡者数は1,590,503人で831,872人の自然人口減でした。死亡者数は逆に令和4年より8,470人増えましたので人口減は49,567人増になりました。
 画して日本人総人口は124,352,000人で前年より595,000人(-0.48%)の減少となりました。
 今や出生数だけでなく人口減少も続いています。人口ピラミッドは理想型の釣り鐘状とは程遠く、花瓶のように尻つぼみになっています。このまま萎んでいくと花瓶ごと転んでしまいそうで心配です。
 人口減少を止めたいなら、今の所、子供は女性しか産めませんので、一人の女性に3人以上子供を産んでもらい、その子達が成人するまでは、シングルマザーでも経済的にも社会的にも心配なく暮らせるような環境を作ることに尽きると思います。
 このことは色々な機会で、もちろんこのコラムでも私が20年も前から言い続けてきましたが、取り上げてもらえなくて残念です。軍事予算はもちろん、高齢者関連予算よりも少ない額で出来ることだと思います。
 円安と少子化は直接関係ないかもしれませんが、少子化で生産人口が減れば国力も落ちて円の価値も下がるのではないでしょうか。
 これだけ円安になって、インバウンドの人達に日本でブランド品を買った方が自国で買うより安いと言われては、2流国になったようで情けないです。
 一方で北欧のように、人口も億未満で、経済大国でもないのに、国民の生活満足度がNO1の国があります。人口増に躍起にならずにそちらの方向に予算を割く手も有るかもしれません。しかし、これも年齢別人口分布が安定して、人口ピラミッドが釣り鐘状でなければ、すなわち出生数が微増でもしていなければ成り立たない政策かもしれません。
 いずれにしてもお産が減って産科病院が困ると言ったような些末な問題ではく、天下国家の大問題だと思います。
 でも、本音を言えば産科病院も苦しい!